7月は祇園祭。
7月1日から1ヶ月に渡って行われる、京都の夏の風物詩です。
コンコンチキチンという独特の御囃子とともに、京都の暑い夏が始まります。
祇園祭は別名「鱧祭り」とも呼ばれております。
梅雨の水を飲んだ鱧は美味さが増すと言われており、梅雨明けに一番の旬を向かえ、栄養価もぐんと高くなります。
鱧は生命力が強く、生きたまま京都に持ち込める為、昔から夏の京都に欠かせない食材とされて来ました。
祇園川上では、鱧の落とし、鱧焼き、鱧鍋など、
この時期はコースの中に3品程、鱧のお料理をお出ししております。
またこの時期の鱧は、お腹にたくさんの「子」を持ちますので、
時にはその「子」を塩漬けにし、珍味として
お出しすることもございます。
鱧の骨切りをする「シャッシャッ」と言う、
何とも小気味の良い庖丁の音が、
祇園川上に夏の訪れを知らせてくれます。
祇園川上の夏の名物料理のひとつに、
「トマトのコンポート」と言うものがございます。
先代が考案した夏のデザートで、
30年間変わらずお出ししているものです。
今はトマトの品種も実に様々となりましたが、
まだシュガートマトと言うものが珍しかった頃、先代が偶然八百屋で見かけたシュガートマトを何とか水物としてお出しする事が出来ないかと言った事が始まりでした。
湯引きして皮を剥いたトマトを、リキュール、ワイン、砂糖を混ぜ合わせて作ったシロップに漬け込みます。
一晩冷やすと独特の風味が生まれ、水々しく優しい触感に仕上がります。
涼しげなガラスの器に盛り付け、お料理の締めくくりに爽やかな彩りを添えます。
祇園川上 店主
※税込・サービス料別